シラチャ・パタヤの日本人の教育事情

現在(2012)、シラチャ・パタヤ地区には学齢期の在留子女が200人以上います。大半は日本人学校に通い、日本と同じカリキュラムで学習をしています。
一部の在留子女がインターナショナルスクールに通っています。日本国籍保有者の中にはタイの現地校(タイ語で勉強)に通っている子もいます。
20094月に日本人学校が開校されて以来、在留子女の数は徐々に増えてきています。私の知る限り、シラチャ・パタヤ地区の在留子女数は過去最高をどんどんと更新し続けています。

では、簡単にシラチャ・パタヤ地区の教育事情の歴史と現状を書いていきたいと思います。
シラチャ・パタヤ地区に日本人駐在員が住むようになったのはタイ東部地区に工業団地が出来はじめた1990年代の半ば頃からと思われます。残念ながらその頃に学齢期の子供がどれほどいたのかは分かりませんが、日系企業の増加と共に徐々に増えてきたものと考えられます。
近辺の学校は、
The International School Eastern SeaboardISE)が1994年開校(ただし現在の場所とは異なる、場所は不明。現在の場所に移ったのは、1998)。The Regent's School Pattaya1995年開校。それ以前は分かりませんが、その頃から徐々に駐在員が子女を伴って駐在し、インターナショナルスクールに通わせていたものと思われます。
その当時は、シラチャ・パタヤ地区には学校が、タイの現地校かインターナショナルスクールしかなく、好む好まざるに関わらず、在留子女はインターナショナルスクールで勉強をしていました。

2001年に日本語での教育を望む声に応え、地元日本人の手で補習校が開校し、インターナショナルスクールに通いながら、土曜日に補習校へ通うスタイルが確立してきました。
補習校開校当時は、タイの現地校の教室を学校側の好意で無償で借り、暑い教室で扇風機を回し汗をかきながら勉強していました。とても暑い教室だったので生徒は水筒持参で、授業中も飲んでも良いことになっていました。その後、
The City Hotel Srirachaの好意により、会議室を有償にて借りてエアコンの効いた部屋で授業ができるようになりました。
設備も環境も良くなっていきましたが、生徒数の増加に伴い全日制の日本人学校を設立したいという機運が高まり、日本人会・地元日系企業・保護者他の尽力により、紆余曲折の末
20094月に開校しました。
それに伴い、
20093月末をもって文部科学省援助下の補習校は閉校になりました。


建設直前の日本人学校予定地

日本人学校建設中(200810)

現在の状況

シラチャ日本人学校
20094月に開校した現在世界中で一番新しい日本人学校。
日本の学習指導要領に従い、日本と同じ教科書を用いて学習しています。全般的に見て日本の平均的な公立より若干学力のレベルは高いと思います。
理由はいろいろ考えられますが、
 ・駐在員子女が大半で、親の職業が安定しており、金銭面での問題が少ない。
 ・海外在住という環境より、親の学歴が平均して日本より高い。(⇒子どのもの教育に関心が高い)
 ・日本から派遣された先生は任期が
3年と限定されていて、意欲がある。(その意欲が空回りしていることもあるようですが)
 ・タイという日本とは違う環境のため、学校からの帰宅後一人で外に行って遊ぶということがなかなか出来ない。(⇒勉強の時間が確保しやすい)
などが考えられます。もちろん、上記の理由は私個人の考え方であり、証拠等があるわけではありません。
インターナショナルスクールというすべてが英語の学校と比べて、子供の環境の変化が少なく大半の子はすんなり学校になじめているようです(個人差はありますが)。
残念ながら、日本人学校には中学部までしかありません。そのため、お父さんの任期がまだ残っている場合、高等学校への進学時には、選択を迫られることになります。
 ・お父さんを単身で残し、残りの家族が日本へ帰国して日本の高校へ進学。
 ・子供のみ日本へ帰国し、祖父母の家や学校の寮から日本の高校へ進学。
 ・タイに全員残り、高校はインターナショナルスクールへ進学。
  (高校進学のことを最初から考慮して、日本人学校を経ずに来タイ時にインターナショナルスクールへ入学するという選択をされる家庭もあります。)
 ・バンコクにある如水館バンコク高校へ進学。(大学進学の資格として問題はありませんが、如水館バンコクはインターナショナルスクールです。日本の高卒資格は得られません。)
 ・シンガポール早稲田高校へ進学(当然子供のみ寮生活。如水館バンコクとの一番大きな違いは日本の高校卒業資格が得られることです。)
などの選択肢が考えられます。

インターナショナルスクール
日本人学校が出来る前は、大半の子弟が在学していた学校。インターナショナルスクールはタイ人をはじめとする世界中の人に門戸を開いた学校で、授業は英語で行われます。当然学校との連絡も英語です。
実は英語を母国語とする子より、別の言語を母国語とする子の方が多い。すべて英語ではありますが、
ESL(English as a Second Language)があり、英語の習得のためのカリキュラムが用意されています。
といっても、まったく英語が出来ない子には厳しいです。ですから、学校に入学する前にテストがあるのが一般的です(学年により内容は異なります。当然上の学年になればなるほど難しくなります)。
インターナショナルスクールに行けば自然に英語が習得できると勘違いされている方がいますが、高学年になってからはそのような受身的な勉強の仕方では、本当の意味での英語力はつきません。とりあえず外国人となんとなく話せるという感じにしかなりません。
しかし、しっかり英語を勉強した場合とても楽しい学校のようで、インターナショナルスクールが大好きという方が多いのも特徴です。
入学前にしっかり準備をして、しっかりと対策を講じればとてもよい学校ですが、安易にインターナショナルスクールに通わせるのは決して良い選択肢とはいえないかもしれません。
以下、シラチャパタヤ地区での主なインターナショナルスクールを紹介します。


ISEInternational School of Eastarnseabord
アメリカ式の小規模なインターナショナルスクールです。日本人教諭がいます。場所はシラチャ・パタヤからそれぞれ30kmほど離れたブラパゴルフ場内にあります。日本における幼稚園から高校に該当する学年があります。

ReagentThe Reagent School Pattaya
イギリス式のインターナショナルスクール。タイ人と西洋人のハーフが多いようです。場所はシラチャよりパタヤの方が近く、パタヤから20km、シラチャから35kmくらいで、大通りに面している。日本における幼稚園から高校に該当する学年があります。

St. Andrews International School
イギリス式のインターナショナルスクール。私自身が行ったことがないので詳しくは分かりませんが、パタヤより南に位置しています。

学習塾
現在、シラチャに日本人向けの学習塾が3件あるようです。イースタンタワー内のDECさんは日本人学校が出来る以前から、その他の2件は日本人学校開校後に始まったようです。詳しくは私も知らないので、どなたかお教えいただければ幸いです。

家庭教師
日本の学習に関する家庭教師は、私(シラチャ・パタヤ、算数・数学/理科)の他にもいるようです。こちらも詳細不明。
また、西洋人の英語の家庭教師をつけている家庭が多いようです。しかし、先生のレベルは千差万別。とても良い先生もいますが、ただ英語を話せるだけの人もいるようです。
「母国語が話せる≠母国語を教える」ではない(話せると教えるは根本的に違います。日本人ならみんな日本語教師ができるか?と考えてみてください)ので、先生選びは慎重にしましょう。